表示名称成分詳細
PG
成分番号(JP number): 550009
- INCI
- PROPYLENE GLYCOL
- 定義(Description)
- 本品は、次の化学式で表される二価アルコールである。Propane-1,2-diol
- 日本の規制情報(Japanese regulation information)
- 中文inci(CN/中国名称)
- 丙二醇
- 中国の規制情報(Chinese regulation information)
- 【已使用化妆品原料目录(2021年版)】Maximum Historical Usage in Rinse-off Cosmetics(%): 89.493, Maximum Historical Usage in Leave-on Cosmetics(%): 66.19
- 韓国inci(KR/ハングル/성분명)
- 프로필렌글라이콜
- CAS No.
- 57-55-6
- EC No.
- 200-338-0
- EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)
-
原料情報
PG / PROPYLENE GLYCOL
プロピレングリコール / PGとは
PGはヒドロキシ基(-OH)を2つ持っており、二価アルコールに分類されます。ヒドロキシ基を2つ以上持つ多価アルコールのグリセリン、BG(ブチレングリコール)の一種でもあります。
化粧品分野では、保湿作用、保水作用、防腐作用、溶剤を目的として配合されています。添加されている製品も幅が広く、ボディ&ハンドケア製品、メイクアップ化粧品、化粧下地製品、スキンケア化粧品、シャンプー製品、コンディショナー製品、アウトバストリートメント製品、ボディソープ製品、ボディ石鹸、洗顔料、洗顔石鹸、クレンジング製品、シート&マスク製品、日焼け止め製品、頭皮ケア製品、整髪料、香水、ネイル製品、入浴剤など様々な製品に添加され使用されています。
化粧品分野以外にも食品、医薬品への添加剤としても使用実績があります。
食品への添加目的は、着色料、ビタミン類、香料、保存料などの溶剤として主な目的になっています。
また、医薬品への添加目的としては、安定・安定化、可塑、可溶・可溶化、基剤、結合、懸濁、コーティング、湿潤・湿潤調整、等張化、軟化、乳化、粘着・粘着増強、粘稠、賦形、分散、保存、無痛化、溶解・溶解補助目的に、経口剤から各種注射、外用剤、眼科用剤、耳鼻科用剤、口中用剤など幅広く用いられています。
保湿、保水
多価アルコールは角質層への吸湿性、保水性、粘性の違いにより、テクスチャーの違いが生じてきます。PGは、他の多価アルコールの中でもやや粘性があり、肌への吸湿作用は比較的高く、保湿時間が短いという特徴をもっています(1)。
同じ多価アルコールのグリセリンと比べると、同程度の保湿力はあるものの、保湿時間が短いことから、さっぱりとしたテクスチャーと評価されることが多いです。
保湿作用から角質層の水分含有量を上げ、角質層のひび割れを防ぎ、肌表面のバリア機能を維持する働きも期待できます。保湿されていない角質は、水分量の低下、角質層のひび割れと状態が悪化してきます。
角質層の悪化は、肌表面の状態悪化に直結します。皮膚表面の亀裂、落屑、鱗屑が起こり、肌荒、肌のバリア機能の低下を招くのです。
PGを塗布することで、角質層の水分量が保たれ、バリア機能の維持ができます。
防腐
PGは、他の防腐剤に比べると、抗菌作用においては弱いという評価になっています。
ですが、抗菌スペクトルとしては、濃度10%以上で、グラム陰性菌である大腸菌、緑膿菌に対し特異的に抗菌活性を示すことが知られています(2)。
抗菌作用以外にも、微生物に影響を与える作用として、水分活性を低下させる作用を持っています。水分活性の低下とは、水分子と結合する物質を添加することで、微生物が利用できる水分を低下させ、微生物増抑制作用、静菌作用を示すのです。
PGの本来持っている抗菌作用と、水分活性の低下作用と合わせて、他の防腐剤の量を少なくすることが出来ます。
溶剤
水性成分と油性成分を混ざりやすくするため、PGを溶解補助剤として溶けにくい物質を溶かす目的でも使用されます。
安全性においては50年の使用実績、食品添加物、日本薬局方などにも収載、など安全性に関しては検証が進んでおり安全に使用できる成分ではあります。
皮膚刺激においては、健常人の肌には安全性も高いのですが、「皮膚炎」を発症している皮膚に関しては注意が必要と言われてきています(3)。このため敏感肌製品では使用が少なくなっています。
眼刺激性、光毒性においても、実験結果から「光毒性はない」という結果が出ています。
参考文献
(1)平尾 哲二(2017)「保湿 温故知新」日本香粧品学会誌(41)(4),277-281. DOI:10.11469/koshohin.41.277.
(2)A Aono, et al(1999)「Calorimetric Study of the Antimicrobial Action of Various Polyols Used for Cosmetics and Toiletries」熱測定(26)(1),2-8. DOI:10.11311/jscta1974.26.2
(3)Cosmetic Ingredient Review(2015)「Safety Assessment of Alkyl Ethylhexanoates as Used in Cosmetics」International Journal of Toxicology(34)(3_Suppl),61S-73S.
プロピレングリコール / PGの配合目的
- 角質層の一時的な水分量増加に伴う保湿、保水目的
- 抗菌作用、また水分活性を下げる作用により、微生物の増殖抑制作用、静菌作用による防腐目的
- 極性物質の溶解性が高いことを利用した溶解補助目的
プロピレングリコール/ PGの安全性情報
日本語論文
サーファクチンナトリウムを用いたD相乳化法による界面被覆型エマルションの調製
坂本 馨子 , 脇田 和晃 , 大角 義浩 , 武井 孝行 , 吉田 昌弘
科学・技術研究 6(2), 131-134, 2017
プロピレングリコールによるアレルギー性接触皮膚炎と刺激性皮膚炎
東 禹彦
皮膚1984年 26 巻 4 号 859-865発行日: 1984年公開日: 2010/06/04
DOI https://doi.org/10.11340/skinresearch1959.26.859
東 禹彦, 松村 雅示, 永木 公美
皮膚1985年 27 巻 4 号 781-786発行日: 1985年公開日: 2010/06/04
https://doi.org/10.11340/skinresearch1959.27.781
化粧品中のプロピレングリコール, 1,3-ブチレングリコールの分析
秋元 宣子, 山本 政利, 佐藤 四郎, 増井 俊夫
日本化粧品技術者会誌1987年 21 巻 1 号 50-54発行日: 1987/07/31公開日: 2010/08/06
英語論文
Barbareschi M, et al. G Ital Dermatol Venereol. 2020. PMID: 32635707 Free article. Clinical Trial.
Baby AR, et al. Drug Dev Ind Pharm. 2009. PMID: 18821196
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Tengamnuay P, et al. Int J Cosmet Sci. 2006. PMID: 18489267
Tolerability and cosmetic acceptability of a body wash in atopic dermatitis-prone subjects.
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Safety evaluation of some humectants and moisturizers used in cosmetic formulations.
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Teshigawara T, et al. J Oleo Sci. 2009. PMID: 19075505 Free article.
[Contact sensitization to pharmaceutic aids in dermatologic cosmetic and external use preparations].
Dastychová E, et al. Ceska Slov Farm. 2004. PMID: 15218738 Czech.
First-derivative spectroscopic determination of sunscreens in cosmetic formulations.
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