表示名称成分詳細
塩化レボカルニチン
成分番号(JP number): 0
- INCI
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- 定義(Description)
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- 日本の規制情報(Japanese regulation information)
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- 中文inci(CN/中国名称)
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- 中国の規制情報(Chinese regulation information)
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- 韓国inci(KR/ハングル/성분명)
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- CAS No.
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原料情報
塩化レボカルニチン / -
塩化レボカルニチンとは
塩化レボカルニチンは、脂肪の燃焼効果がある「L-カルニチン」の塩化物「塩化レボカルニチン」です。
日本医薬品医療機器総合機構によると、2005年2月2日に、塩化レボカルニチンは、医薬部外品として承認しても差し支えないと判断され、承認後少なくとも2年間は安全性に関する市販後調査のをするのが適当であるとの必要があるとの審査結果が出されました(1)(2)。
これを受けて、2005年03月01日の 薬事・食品衛生審議会化粧品・医薬部外品部会で承認され、塩化レボカルニチンは、厚生労働省より、2005年5月30日、新規医薬部外品有効成分として承認されました(3)(4)。
塩化レボカルニチンは、皮膚に浸透後に遊離してL-カルニチンとなります。
L-カルニチンは脂肪の代謝に必要な物質です。食物から吸収されるほか体内でも生合成されます。
また、L-カルニチンは脂肪燃焼促進効果があるとして、サプリメントとしても注目されている物質です。
皮膚内でも、角質の下にある顆粒層から角質層に変化する際のエネルギー供給に、L-カルニチンは脂肪酸の燃焼を促進することで関わると考えられています(5)。
働きと用途
皮膚内で、L-カルニチンが減少すると、角質層を形成するためのエネルギー供給が減るので、角質の生成が十分でなくなるため、肌荒れが発生するとされます。
また、老化した皮膚では、L-カルニチンの量が大きく減少することが確かめられています。
カネボウによると、老化した皮膚に対して、塩化レボカルボニチンを塗布すると、表皮のバリア機能に必要な角質内の細胞間脂質が増加して肌荒れに対する抵抗性が高まることが確認されました。
この効果は、皮膚内での脂肪燃焼(β酸化)が高まるためだと検証されています。
さらに乾皮症(ドライスキン)の人に対しての実験では、塩化レボカルニチンの配合クリームと無配合品では、皮膚機能の優位な改善があったと報告されています(5)。
塩化レボカルニチンの配合目的
・バリア性向上
・抵抗性向上
・皮膚機能の向上
塩化レボカルニチンの安全性情報
(15)より、一過性のごく軽微な紅斑が起こる可能性があるものの安全性に問題ないと報告されているため、皮膚刺激性については、非刺激-一過性のわずかな紅斑を引き起こす可能性があると考えられます。
(15)より、眼刺激なしと報告されているため、眼刺激性はほとんどないと考えられます。
(15)より、皮膚感作なしと報告されているため、皮膚感作性はほとんどないと考えられます。
(15)より、塩化レボカルニチンは紫外線領域に吸収がないため、光毒性および光感作性はないと考えられます。
平成27年4月1日~令和元年11月30日の間に、塩化レボカルニチンを使用した化粧品で副作用が3件、報告されています。
症状は適用部位白斑 です(6)~(14)。
副作用の内訳は、
塩化レボカルニチン、ガンマ-アミノ-ベータ-ヒドロキシ酪酸、4-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ブタノール、グリチルリチン酸ジカリウムを配合した製品で2件(6)(9)
塩化レボカルニチン、ガンマ-アミノ-ベータ-ヒドロキシ酪酸、5,5’-ジプロピル-ビフェニル-2,2’-ジオール、グリチルリチン酸ジカリウムを配合した製品で1件です(9)。
参考文献
(1) カネボウ化粧品、皮膚のバリア機能高める塩化レボカルニチンを開発:MedWave Back Number (nikkeibp.co.jp)
(2) 審査報告書 平成17年2月2日 独立行政法人日本医薬品医療機器総合機構
(3) 05/03/01 薬事・食品衛生審議会化粧品・医薬部外品部会 平成17年3月1日議事録
(4) 医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議 公知申請への該当性に係る報告書 レボカルニチン塩化物 カルニチン欠乏症の効能の追加 要望番号;77
(5) カルニチンの肌への効果-塩化レボカルニチンの開発とその作用 丹野修 (カネボウ化粧品 化粧品研) , 原武昭憲 (カネボウ化粧品 基盤技研) Fragrance Journal 33 号 8 ページ 82-85 2005年08月15日
(6) 副作用報告の状況(医薬部外品)平成26年4月1日~平成26年7月31日
(7) 国内副作用報告の状況(医薬部外品)(平成 27 年4月1日から平成 27 年7月 31 日までの報告受付分)
(8) 製造販売業者からの国内副作用等報告の状況(平成 27 年8月1日から平成 27 年 11 月 30 日までの報告受付分)
(9) 製造販売業者からの国内副作用等報告の状況(平成 27 年 12 月1日から平成 28 年3月 31 日までの報告受付分)
(10) 製造販売業者からの国内副作用等報告の状況 (平成 29 年4月1日から平成 29 年7月 31 日までの報告受付分)
(11) 製造販売業者からの国内副作用等報告の状況(平成 30 年8月1日から平成 30 年 11 月 30 日までの報告受付分)
(12) 製造販売業者からの国内副作用等報告の状況(平成 30 年 12 月1日から平成 31 年3月 31 日までの報告受付分)
(13) 製造販売業者からの国内副作用等報告の状況(平成 31 年4月1日から令和元年7月 31 日までの報告受付分)
(14) 製造販売業者からの国内副作用等報告の状況 (令和元年8月1日から令和元年 11 月 30 日までの報告受付分)
(15)カネボウ株式会社(2005)「カネボウ トリートメントC」審査報告書.
日本語論文
症例報告 抗菌薬の長期間投与による2次性カルニチン欠乏症の1例
林田 拓也 , 里 龍晴 , 濱口 陽 [他] 長崎医学会雑誌 90(3), 254-257, 2015-09 医中誌Web
田中 裕章 , 朝倉 正登 , 土居 智明 [他] , 福岡 憲泰 , 玉井 栄治 , 宮田 茂 , 松下 治 , 岡部 昭延 , 根ヶ山 清 , 芳地 一 藥學雜誌 = Journal of the Pharmaceutical Society of Japan 126(9), 805-809, 2006-09-01 J-STAGE 医中誌Web 参考文献15件
カルニチンの肌への効果--塩化レボカルニチンの開発とその作用
丹野 修 , 原武 昭憲 フレグランスジャーナル 33(8), 82-85, 2005-08
プロピオン酸血症の1例--診断後16年間にわたる治療経過について (主題 栄養・代謝)
鎌田 彩子 , 大日方 薫 , 重城 一仁 [他] 小児科臨床 57(5), 959-962, 2004-05 医中誌Web 被引用文献1件
血中・尿中カルニチン濃度に及ぼす Cefetamet pivoxil 連続投与の影響とカルニチン経口投与併用の効果について
中島 光好 , 小菅 和仁 , 石井 行雄 , 大坪 正幸 The Japanese Journal of Antibiotics 49(10), 966-979, 1996 J-STAGE
塩化レボカルニチンの慢性心不全患者に対する臨床効果 トレッドミル運動負荷試験による検討:トレッドミル運動負荷試験による検討
長谷川 武志 , 林 正博 , 小沢 興 , 野口 澄子 , 金井 隆之 , 柳下 俊邦 , 桑原 俊樹 , 片桐 敬 臨床薬理 24(1), 21-22, 1993 J-STAGE
研究 3時間冠血流遮断による虚血心筋の収縮機能の回復過程と塩化レボカルニチンの効果
桐本 吏 , 小谷 昌宏 , 弘中 豊 , 磯部 光章 , 矢崎 義雄 心臓 23(3), 249-254, 1991 J-STAGE
ミトコンドリア機能賦活作用を有する塩化レボカルニチン(LC‐80)の実験的急性心筋梗塞に対する作用
藤澤 茂樹 [他] , 長谷部 徒公子 , 林 ひろみ , 八十 百合子 , 弘中 豊 , 河口 直正 , 大西 俊造 , 立川 信成 , 村上 英司 , 増田 匡志 , 水谷 貞文 , 水谷 真理 , 広瀬 幸弘 , 山田 博明 , 藤田 和彦 日本薬理学雑誌 96(5), 227-242, 1990 J-STAGE 医中誌Web
木村 碩志 ファルマシア 26(10), 1036, 1990 J-STAGE
ミトコンドリア機能賦活作用を有する塩化レボカルニチンのラット心筋ホモジネートにおける低酸素条件下での脂肪酸及びグルコースの酸化に対する作用
山田 博明 , 弘中 豊 , 濱 堯夫 藥學雜誌 110(3), 225-234, 1990 J-STAGE 医中誌Web 被引用文献1件
労作狭心症患者におけるトレッドミル運動試験の運動耐容能に対する塩化レボカルニチン(LC‐80)の臨床評価
外畑 巌 , 平山 治雄 , 近藤 照夫 , 加藤 和重 , 中島 光好 , 野田 省二 , 林 博史 , 横田 充弘 , 都築 雅人 , 都築 實紀 , 後藤 純規 , 稲垣 春夫 , 伊藤 厚士 臨床薬理 20(3), 607-618, 1989 J-STAGE
塩化レボカルニチン(LC‐80)のトレッドミルによる虚血性心疾患に対する臨床効果 多施設二重盲検群間比較試験による検討:多施設二重盲検群間比較試験による検討
吉利 和 , 中島 光好 , 山崎 昇 , 飯村 攻 , 新谷 博一 , 蔵本 築 , 長田 洋文 , 水野 康 , 外畑 巌 , 戸嶋 裕徳 臨床薬理 20(4), 687-707, 1989 J-STAGE 医中誌Web 被引用文献1件
麻酔開胸犬の心血行動態および心筋エネルギー代謝に及ぼす塩化レボカルニチン(LC‐80)の影響
桐本 吏 [他] , 大谷 かおり , 山田 博明 , 藤澤 茂樹 , 弘中 豊 日本薬理学雑誌 93(3), 119-131, 1989 J-STAGE 医中誌Web
英語論文
Bateman RM, et al. Crit Care. 2016.PMID: 27885969
Singh I, et al. J Biol Chem. 1993.PMID: 8486724
Protein kinase C transduces the signal for Langerhans' cell migration from the epidermis.
Halliday GM, et al. Immunology. 1993.PMID: 8406587
Several selective protein kinase C inhibitors including procyanidins promote hair growth.
Takahashi T, et al. Skin Pharmacol Appl Skin Physiol. 2000. PMID: 10859531